固定資産税は、土地の評価額や適用される特例によって大きく変動するため、一概に「いくら」と断定することはできません。
しかし、計算の基本的な考え方と、岐阜市の税率、特例などを踏まえ以下参考までにご覧くださいませ。
固定資産税の計算式
まず、固定資産税の計算式は以下の通りです。
固定資産税額 = 課税標準額 × 税率
都市計画税も課税される場合は、
都市計画税額 = 課税標準額 × 税率
そして、固定資産税と都市計画税の合計が、納税額となります。
岐阜市の固定資産税・都市計画税の税率
固定資産税の税率: 1.4%
都市計画税の税率: 0.2%
これらの税率は、地方税法によって標準税率が定められており、岐阜市もこの標準税率を採用しています。
課税標準額について
課税標準額は、固定資産税評価額を基に算出されます。固定資産税評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、市町村長が決定します。この評価額は3年に一度見直されます(直近では2024年度が見直し年でした)。
しかし、住宅用地には特例が適用され、課税標準額が大幅に軽減されます。
◯小規模住宅用地(200m²以下の部分): 課税標準が固定資産税評価額の1/6に軽減
◯一般住宅用地(200m²を超える部分): 課税標準が固定資産税評価額の1/3に軽減
250坪は平方メートルに換算すると、約825m²(250坪 × 3.305785m²/坪)となります。この場合、200m²までは小規模住宅用地、残りの625m²(825m² - 200m²)は一般住宅用地として特例が適用されます。
試算例
具体的な固定資産税評価額が分からないと正確な金額は出せませんが、仮に固定資産税評価額が2,000万円の250坪(約825m²)の土地で、住宅用地の特例が適用される場合を想定して試算してみます。
1|住宅用地の面積区分:
小規模住宅用地: 200m²
一般住宅用地: 825m² - 200m² = 625m²
2|各部分の評価額の仮定:
総評価額が2,000万円なので、面積で按分して仮に計算してみます。
1m²あたりの評価額 = 20,000,000円 ÷ 825m² ≒ 24,242円/m²
小規模住宅用地部分の評価額 = 24,242円/m² × 200m² ≒ 4,848,400円
一般住宅用地部分の評価額 = 24,242円/m² × 625m² ≒ 15,151,250円
(合計: 19,999,650円 ≈ 2,000万円)
3|固定資産税の課税標準額:
小規模住宅用地部分: 4,848,400円 × 1/6 ≒ 808,067円
一般住宅用地部分: 15,151,250円 × 1/3 ≒ 5,050,417円
合計課税標準額 = 808,067円 + 5,050,417円 = 5,858,484円
4|固定資産税額:
5,858,484円 × 1.4% = 約 82,019円
都市計画税の課税標準額:
都市計画税の住宅用地特例は、小規模住宅用地が1/3、一般住宅用地が2/3です。
小規模住宅用地部分: 4,848,400円 × 1/3 ≒ 1,616,133円
一般住宅用地部分: 15,151,250円 × 2/3 ≒ 10,100,833円
合計課税標準額 = 1,616,133円 + 10,100,833円 = 11,716,966円
5|都市計画税額:
11,716,966円 × 0.2% = 約 23,434円
6|合計納税額:
固定資産税 約 82,019円 + 都市計画税 約 23,434円 = 約 105,453円
注意点:
これはあくまで仮の評価額と特例が適用された場合の試算です。
土地の上に建物がある場合は、建物の固定資産税も別途かかります。
住宅が建っていない「更地」の場合は、住宅用地の特例が適用されないため、評価額に対して直接税率がかかり、税額は上記の数倍高くなります。
固定資産税評価額は、固定資産税納税通知書に記載されていますので、正確な金額を知りたい場合はそちらをご確認ください。
正確な情報を得るには
最も正確な固定資産税額を知るためには、以下の方法があります。
1|固定資産税納税通知書を確認する 毎年4月〜5月頃に送付される納税通知書に、土地と建物の評価額や課税標準額、税額が記載されています。 |
2|岐阜市役所 税務部 資産税課に問い合わせる 土地の所在地番を伝えれば、評価額や税額の概算を教えてくれる場合があります。 |
3|不動産会社に相談する 物件購入を検討している場合は、不動産会社が税額の概算を教えてくれることもあります。 |
この情報が、岐阜市での固定資産税のイメージを掴む一助となれば幸いです。
補足事項とさらに深く理解するためのポイント
固定資産税評価額の重要性:
固定資産税額の算出において最も重要なのは「固定資産税評価額」です。これは、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、市町村が個別に決定するもので、公示地価の7割程度が目安と言われますが、土地の形状、前面道路の幅、間口、奥行き、高低差、日当たりなど、様々な要因で個別に評価されます。
試算では仮の評価額を用いましたが、実際の評価額によって税額は大きく変わります。
更地の場合の注意点:
先ほども触れましたが、もし250坪の土地が現在「更地」であれば、住宅用地の特例は適用されません。
この場合、課税標準額は固定資産税評価額の70%(またはそれ以上)となり、税額は住宅が建っている場合の数倍〜最大で6倍になる可能性があります。
例えば、評価額2,000万円の更地であれば、課税標準額が1,400万円として計算すると、
固定資産税:14,000,000円 × 1.4% = 196,000円
都市計画税:14,000,000円 × 0.2% = 28,000円
合計:224,000円
となり、住宅用地の場合の約2倍以上の税額になります。
都市計画税の税率について:
岐阜市公式ホームページや他の情報源からも、固定資産税が1.4%、都市計画税が0.2%(または0.3%と記載されている情報も見られますが、岐阜市の公式サイトでは0.2%となっています)と確認できます。私の試算では0.2%を使用しています。
固定資産税評価額の確認方法:
固定資産税納税通知書: これが最も確実です。毎年5月頃に岐阜市から送付されます。
固定資産課税台帳の閲覧: 岐阜市役所の税務部資産税課で、土地の所有者であれば閲覧できます。
固定資産評価証明書の取得: 岐阜市役所で取得できます。これも所有者本人または委任状があれば取得可能です。
土地活用と固定資産税:
障がい者グループホームや住宅型有料老人ホームなど、居住系の建物を建てることで、その敷地は「住宅用地」と見なされ、固定資産税の特例が適用されます。これにより、更地で持ち続けるよりも固定資産税の負担を大幅に軽減できるメリットがあります。
250坪という広さのメリット:
250坪(約825m²)という広さは、様々な土地活用の可能性を秘めています。
福祉施設: 特に介護施設や障がい者グループホームは、駐車場や緑地スペース、ゆとりのある共用部を確保できるため、この広さは有利に働きます。
アパート・マンション: ある程度の規模の集合住宅を建てることも可能です。
医療施設・ロードサイド店舗: 駐車場の確保が重要なこれらの施設にも適しています。
最終的な固定資産税額は、実際の土地の評価額と、その上にどのような建物が建っているかによって確定します。もし、具体的な土地の情報を把握されているようでしたら、それを基に岐阜市役所の税務課に問い合わせるのが最も確実な方法です。