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介護施設の運営に許認可は必須!指定事業者になる流れを解説

介護施設の運営に許認可は必須!指定事業者になる流れを解説

介護事業を新たに開始するにあたって、指定事業者になるための許認可申請手続きを進めている事業主の方も多いのではないでしょうか。

介護保険の指定事業所となり介護保険のサービスを提供するためには、自治体から許可を得る必要があります。

手続きに不備があると指定事業者になるまでに余計な時間がかかってしまうため、注意しましょう。

こちらの記事では、介護事業者に必要な許認可の手続きを解説していきます。

新たに介護事業を開始する事業主の方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

介護保険の指定事業者になるには自治体の許可を得る必要がある

介護保険の指定事業者の自治体許可

介護保険の事業者として介護サービスを提供し、介護報酬を受けるためには自治体に対して事業者指定申請を行い「指定介護事業者」となる必要があります。

なお、介護サービスの種類や事業所ごとに、自治体から指定を受ける必要がある点に注意しましょう。

例えば、訪問介護事業と通所介護事業を行う場合は、それぞれのサービスに関して指定を受けなければなりません。

また、指定介護事業者の許可を受けるための要件は、提供する介護サービスによって異なります。

介護施設の指定申請に必要な書類

介護施設の指定申請に必要な書類

介護保険の指定申請に必要な書類は提供するサービスによって異なりますが、主に必要となる書類は下記のとおりです。

  • 指定(許可)申請書
  • 指定に係る記載事項(付表)
  • 誓約書
  • 登記簿謄本
  • 有資格者の資格証の写し
  • 加算(減算)体制届
  • 就業規則
  • 従事者の勤務体制・勤務形態一覧表
  • 人員基準確認表
  • 管理者名簿・管理者の経歴書
  • 事業所の平面図・写真
  • 事業計画書
  • 組織体制図
  • 運営規定
  • 設備・備品等一覧表

多くの書類を用意する必要があるため、介護事業を開始する際には早い段階から準備を行うことが大切です。

また、各自治体によって提出する書類のフォーマットや添付書類の種類は異なります。

詳細は介護施設を設ける自治体に問い合わせてみましょう。

介護保険の指定事業者になるための要件

介護保険の指定事業者になるための要件

介護保険の指定事業者になるためには、いくつか要件をクリアする必要があります。

要件をクリアできていないと指定事業者の許可を得ることはできません。

介護事業者として介護サービスを提供する前提条件となるため、しっかりと確認しておきましょう。

法人格を有している

前提として、介護保険の指定事業者になるためには法人格を有している必要があります。

豊富な経験と十分なスキルがあったとしても、フリーランスや個人事業主は指定事業者になることはできません。

そのため、指定事業者申請を行う前には法務局で法人設立の手続きを行い、法人格を取得する必要があります。

なお、法人格であれば法人の種類は問われませんが、法人の種類によっては定款について所轄庁の認可(認証)が必要な場合があります。

定款には下記内容を記載する必要があるため、必要な場合は定款の作成も忘れずに行いましょう。

  • 訪問介護を行う場合:介護保険法に基づく訪問介護事業
  • 居宅サービス全般を行う場合:介護保険法に基づく居宅サービス事業
  • 介護予防サービス全般を行う場合:介護保険法に基づく介護予防サービス事業

人員基準をクリアしている

提供するサービスごとに設けられている人員基準をクリアすることも必須です。

管理者や責任者など、各サービスで人員に関する基準が定められているため、人員を確保することも欠かせません。

例えば、訪問介護と通所介護の人員基準は下記のとおりです。

  • 訪問介護:介護福祉士、介護職員初任者研修の修了者(常勤換算で2.5以上)
  • 通所介護:生活相談員(事業所ごとにサービス提供時間に応じて専従で1以上)、看護職員(単位ごとに専従で1以上)、介護職員(利用者15人までは、専従で1以上)、機能訓練指導員(1以上)

指定を受ける前に人員確保が必須となる点は、必ず押さえておきましょう。

設備基準・運営基準をクリアしている

人員基準のほかにも、各サービスで設けられている設備基準・運営基準をクリアする必要があります。

設備基準とは事務室や消防施設など事業所に必要な設備に関する基準で、 運営基準とは利用者への説明やサービス提供の記録など、事業を実施するうえで求められる運営上の基準です。

例えば、通所介護の場合は下記のような設備基準が設けられています。

  • 食堂と機能訓練室、それぞれ必要な面積を有するものとし、その合計した面積が、利用定員1人あたり3㎡以上である
  • 利用者が静養できる場所(静養室)と事務室を設ける
  • 相談室に遮蔽物などを設け、相談内容が漏れないように配慮する
  • 消防設備その他の非常災害に際して必要な設備を設ける

人員基準・設備基準・運営基準がクリアできていないと指定を受けられないため、注意しましょう。

過去5年以内に指定取り消し処分を受けていない

指定事業者になるためには「過去5年以内に指定取り消し処分を受けていない」ことも求められています。

なお、初めて介護事業の運営を始める事業主に関しては、関係ありません。

介護事業の許認可申請の流れ

介護事業の許認可申請の流れ

介護の指定事業者として許可を得るためには研修の受講が必須となっており、早い段階から準備を進める必要があります。

手続きをスムーズに進めるためにも、介護事業の許認可申請の流れを理解することは大切です。

以下で、介護事業の許認可申請の流れについて解説していきます。

事前相談・指定前研修の申し込み

指定事業者の許可を得るためには、指定前研修を受ける必要があります。

指定基準をクリアしていることを確認したら、指定前研修の4〜3カ月に自治体へ事前相談を行い、指定前研修の申し込みを行いましょう。

自治体によっては完全予約制であるケースもあるため、日程にはゆとりをもって申し込むことをおすすめします。

なお、指定前研修の申込み時点で、法人として事業所開設の具体的な予定があることが必要です。

指定前研修を申し込む際には、介護施設を実際に開設する予定日を決めておくと良いでしょう。

指定前研修の受講

申し込んだ指定前研修日になったら、研修を受講します。

研修を受講する対象者は、申請する事業所の管理者や法人代表者です。

指定前研修会とは、事業運営に係る法令遵守や規程等の必要な知識や申請書類作成の注意事項について、実際に事業を開始する前に行う研修です。

研修を受講するのは1〜3カ月前が目安ですが、東京都の場合は事業所開設予定月の3カ月前までに受講する必要があります。

各自治体の受講ルールを確認しておき、スムーズに指定手続きを進めましょう。

指定申請・受理

指定前研修を受講したら、指定申請に必要な書類を自治体に提出します。

東京都の場合、指定予定日の2ヶ月前15日を目途に新規指定申請書を提出する必要があります。

各自治体によって申請方法や申請期限などのスケジュールが異なるため、事前に確認しておきましょう。

申請後、基準などを満たしていることが確認できた場合、自治体から指定介護サービス事業所等として指定されます。

なお、申請が受理されると6年間は指定事業者として介護事業を行うことができ、その後は更新制となります。

介護事業の許認可申請の方法

介護事業の許認可申請

介護事業の指定事業者としての許認可申請は、必ずしも事業主自身で行う必要はありません。

必要に応じて、行政書士や社会保険労務士などの書類作成のプロに依頼できます。

以下で、介護事業の許認可申請の方法を解説していきます。

自分で行う

介護事業の指定申請は、事業主自身で行うことも可能です。

しかし、膨大な量の書類を作成する必要があり、並行して介護施設の開業準備も進める必要がある点を考えると現実的ではありません。

書類の作成に慣れているスタッフがいれば任せることも可能ですが、もし難しい場合は行政書士や社会保険労務士に頼るのがおすすめです。

行政書士に相談する

行政書士は、書類作成の専門家です。

介護事業の指定申請手続きの書類は膨大ですが、行政書士に任せることで煩雑な事務手続きから解放されます。

行政書士に任せれば、事業主は介護施設の開所に関する準備に専念できるでしょう。

なお、本来であれば介護保険法に基づく申請代行は社会保険労務士しか行うことはできません。

しかし、実態としては多くの行政書士事務所が介護事業の指定申請手続きを代行しています。

社会保険労務士に依頼する

社会保険労務士は、行政書士よりも介護保険法などの社会保険法令に精通しています。

社会保険労務士も介護事業の指定申請手続きの書類作成・提出代行を行ってくれるため、非常に頼りになる存在です。

社会保険労務士に依頼すれば、良好な職場環境を作るためのコンサルタントや給与計算などの事務も任せられるメリットがあります。

さらに、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険の加入手続きなども代行してくれるため、煩雑な事務手続きを一任できます。

指定事業者としての許可を得て、介護施設を開所したあとも人事労務や社会保険関係の手続き面でサポートを受けたい場合は、社会保険労務士に相談しましょう。

指定の取り消しを受けないように注意

指定取り消しを受けないように注意

介護保険法に定められている基準をクリアできていないにも関わらず介護施設の運営を続けた場合など、違反行為があると指定の取り消しを受ける可能性があります。

なお、指定の取り消しよりも軽い処分として、一定期間介護保険法上のサービスの全部、または一部が提供できなくなる「指定の効力停止」を受ける可能性もあります。

指定の取り消しを受けると指定事業者として介護施設を運営できないのはもちろん、一度取り消しを受けると5年間は指定事業者になることはできません。

また、指定の効力停止期間中は介護報酬を受けられなくなるため、事業の運営に支障が出てしまうのは明白です。

  • 介護報酬の不正請求
  • 虚偽報告・虚偽申請
  • 法令違反
  • 運営基準違反
  • 人員基準違反
  • 人格尊重義務違反

上記のいずれか等に該当した場合、指定の取消しか指定の効力停止を受けてしまうため、注意しましょう。

介護事業運営に許認可は必須!忘れずに行いましょう

介護事業運営に許認可は必須!忘れずに行いましょう

介護事業を運営するためには、指定事業者として許認可を受けることが必須です。

手続きは煩雑ですが、法令を遵守することは事業主の責務なので、きちんと許認可手続きを行いましょう。

介護施設の運営は、今後ますます高齢化が進展すると見込まれる日本において、社会的意義の大きい事業です。

指定事業者として許認可を得つつ、出店候補地の選定で悩んでいる場合は、福祉施設の事業立ち上げ支援や土地活用のご提案を行っているタカオのサポートを受けてみてはいかがでしょうか。

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